車の操作ミスで大けがを負ったり、幼い子供が死亡するニュースなど、交通事故による悲しいニュースは後を絶えません。
長年交通事故発生ランキングワースト1位の愛知県では2016年、人気スマホゲーム「ポケモンGO」をしていたトラック運転手が小学四年の男の子をはね死亡させるなど、スマートフォン使用による「ながら運転」がとくに危険視されるようになりました。
以下のような違反点数、反則金の引上げ案が盛り込まれています。
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「スマホながら運転」で事故を起こした場合 一発免停処分に

2019年6月5日に国会で道路交通法が改正され(2019年6月5日公布)、車で走行しながらスマートフォンや携帯電話を使用したり、カーナビゲーション装置等の画面を注視する「ながら運転」が厳罰化されました。
これに伴い道路交通法施行令が改正され、改正道交法の施行は12月1日と決まりました(施行令は2019年9月19日公布)。
携帯電話等使用時の違反点数・反則金なども約3倍と大幅に引き上げられ、「ながら運転」による事故など交通の危険に結びついた場合は、即免許停止になります。
正確には「携帯電話使用等」違反で、車が停止している間の使用を除きます。
携帯電話使用等に関する違反点数・反則金の引上げ案

《携帯電話使用等で交通の危険を生じさせた場合》
罰則
〇改善前
⇒3か月以下の懲役または5万円以下の罰金
〇改正後
⇒1年以下の懲役または30万円以下の罰金
違反点数
〇改正前・・・2点
※酒気帯び点数は14点
〇改正後・・・6点(即免停)
※酒気帯び点数は16点(免許取消)
反則金
〇改正前
・大型 1万2千円
・普通 9千円
・二輪 7千円
・小特等 6千円
〇改正後
⇒非反則行為となり、すべて罰則を適用
《携帯電話の使用等(保持)》
罰則
〇改正前
⇒5万円以下の罰金
〇改正後
⇒6か月以下の懲役または10万円以下の罰金
違反点数
〇改正前・・・1点
※酒気帯び点数は14点
〇改正後・・・3点
※酒気帯び点数は15点(免許取消)
反則金
〇改正前
・大型 7千円
・普通 6千円
・二輪 6千円
・小特等 5千円
〇改正後
・大型 2万5千円
・普通 1万8千円
・二輪 1万5千円
・小特等 1万2千円
即免停や懲役など一発アウトが多い!
具体的には、運転中にスマートフォンを使用しており、交通事故などの危険に結びついた場合は、違反点数6点をくらうため即免許停止処分を受けることになります。
スマホのながら運転で交通事故などを起こした場合には、反則金の適用はなくなり、すべて刑事罰が適用されることになるのです。
なお、上の表にもあるように、酒を飲んだ状態でスマートフォンを操作した場合は即免許取消処分となります。
今回の改正は、スマートフォンや携帯電話などの「ながら運転」による重大事故が増えていることを鑑みてのもの。
警視庁によると、2013年に2,038件だった「ながら運転」を原因とする人身事故は、2018年には2,790件と1.4倍に増えました。
携帯電話等の使用中の死亡事故率は、使用していない場合の2.1倍となっており、「ながら運転」を減らすことが重要だと考えられたのです。
なぜこのタイミングで罰則強化されたのか?
今回の改正道交法は、2019年5月28日に衆議院で可決され、6月5日に公布されたものですが、国会で可決された法案では、反則金や点数の具体的な数字は明記されていませんでした。
そこで、警察庁は具体的な数字を盛り込んだ改正案を公表するとともに、パブリックコメントを募集。同年12月の施工に向けて意見を集めて、必要に応じて調整していこうというわけです。
普段から「ながら運転」などせず規則を守って運転している人にとっては、今回の改正も大きな問題ではないかもしれません。
2020年以降は、「ながら運転」による悲しい事故が減ることを期待したいですね。