反社会勢力の宴会に所属芸人が数名出席し、金銭を受け取った闇営業で問題になった吉本興業。
その吉本興業で、大半のタレントと契約書を交わしていないことも大きな話題になりました。
契約書がないということは、吉本興業に所属するタレント側に一体どんな問題が生じるのでしょうか?
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吉本興業、希望者と契約書面を交わす方針を発表
22日に行われた会見で、「吉本は原則口契約だというが、今後もこれを軸にしていくのか?」という記者からの質問に対して岡本社長は、『人間関係がベースである』と発言。
これについて25日、ついに吉本興業の担当者は『今後、タレントが希望すれば契約書を交わす方針です』と発表しました。

吉本関係者によると、全てのタレントに聞き取りをしてそれぞれの意向を確認したうえで、希望する人については改めて書面で契約を結ぶそうです。
契約書がないと何が問題なのか?
問題①吉本は口頭契約を行う規模の会社ではない

日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演している北村弁護士によると、書面を交わさない口頭のみによる契約も理論的には成立するそうです。
では、吉本興業は悪くないのかというと、それは違います。
口頭のみによる契約は事実上、契約内容が非常に単純なものに限られるためです。
吉本興業もはじまりは小さい会社だったため、岡本社長の言う“ファミリー体制”が通用していました。
しかし、ここまで大きくなってからも“ファミリー体制”で通用するかと言ったら、通用するわけがないということです。
問題②独占禁止法上の問題になる可能性がある


公正取引委員会の山田事務総長は、吉本興業がごく一部のタレントを除いて大半のタレントと契約書を交わしていないことについて、こう述べています。
契約内容が不明確であることに通じて、優越的地位の乱用などの独占禁止上問題のある行為を誘発する原因になる
こちらも、岡本社長が発言していた「ファミリー体制」に関連した恐ろしさに繋がっていると考えられます。

田村亮さんが、「ファミリーなら、僕は子供。子供が正しいこと、本当に悪いことを謝ろうとしているのを止めるのが親ではない。」と泣きながら発言していたように、
タレントである芸人たちは“子”であり、吉本上層部は“親”なので、『子は親に逆らえない』という体制を作ってしまっているということです。
コラムニストの辛酸なめ子さんは、吉本のファミリー体制に対して、
「『親』と『子』という関係だと、どうしても親が上の立場という印象になってしまう。『子』も自立心が抑制され、会社に依存する体制につながっていたのでは」
とコメントを残しています。
タカアンドトシのタカがインスタグラムで『ファミリーと感じたことない』
岡本社長が22日の会見で、「タレント社員を含めて吉本興業は全員が家族、ファミリーであると考えています」と話したことに対して、
タカアンドトシのタカが23日自身のインスタグラムで「ファミリーって言葉を簡単に使うよなぁ。」つづけて、「5990人の芸人はファミリーと感じたことないと思うけどなぁ」と投稿。

いま現在投稿は消されていますが、多くの若手芸人が吉本についてチャンスと言わんばかりにSNS上に声を上げる今、タカさんの投稿も本音であったのでしょう。
また、25日に放送されたひるおびに出演していたケンコバさんも、
笑いながらですが「マフィアの映画でも『ファミリー』って使うからね」とコメントを残していました。
今後の方針は?

オール阪神巨人のオール巨人さんが、7月24日自身のブログで、
「実は、近々吉本ベテラン組と吉本の上層部がコンプライアンスの件で話をします、その時に今回の話も出ますので、ベテラン組でしっかり、若手のことも今後のことも話し会おうと思っています」
とつづっており、上層部と所属するベテラン芸人で話し合いの場が持たれることを明かしています。
加藤浩次さんの引退説、松本人志の発言に困惑する芸人、かつて暴力団と繋がりがあるとされ芸能界を去った島田紳助の参入などで大ごとになっていますが、
吉本興業と芸人の方々がお互い納得のいくような関係を創り上げていく過程としては必要なことなのかもしれませんね。