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蜂窩織炎は死ぬ病気?フェレットに噛まれ17年闘病も亡くなった男性警部補|フェレットや野生ではなくペットだった?

蜂窩織炎アイキャッチ画像
ピイたろ
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フェレットに手を噛まれて亡くなった男性が亡くなり、話題になっています。
ねっこ
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約17年もの闘病生活で一体なぜ…?

フェレットに噛まれた男性が蜂窩織炎で死去。治療期間はおよそ17年だった

大分県警大分中央署の男性警部補が2002年、通報を受けて捕獲を試みたフェレットに手をかまれ、感染症の治療を16年半続けるも今年1月に41歳で死亡していたことが分かりました。

 

県警によると、亡くなった男性は大分市の大分駅前交番で勤務していた20年6月26日の早朝、「近くの公園にフェレットがいる」と110番を受けて出動。

捕獲作業中に手をかまれ、3カ月後に感染症の蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症しました。

男性は休職と復職を繰り返して治療を続けましたが、今年1月18日に同県別府市の病院で息を引き取りました。

男性の遺族から公務災害の申請を受けた地方公務員災害補償基金県支部は、かまれたことと警部補の死亡に因果関係があるとして、7月26日付で公務災害と認定しています。

 

フェレットは野生?飼われていたペット?

男性警部補をかんだフェレットは体長30~50センチほどのイタチ科の肉食性動物で、ペットとしても飼いやすいため長く人気があります。

獣医師の佐伯久・おおいた動物愛護センター所長(61)は「フェレットも野生化すれば、野良猫などと同様、かまれた傷口から雑菌が体内に入って広がる可能性がある」と指摘しています。

ピイたろ
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フェレットに限らずいぬやネコなど、動物咬傷(どうぶつこうしょう)は恐ろしいので注意が必要です。

 

県警によると、当時の記録が残っていないため、フェレットがペットだったか野生かは不明で、捕獲されたかどうかも分かっていないそうです。

https://twitter.com/jus_3913/status/1192674868736581632

フェレットは野生では生きていけない繁殖力がないことから、野生ではなくてペットが逃げ出した説が濃厚とされています。

さらに、捕獲された記録もないことから、「かんだのはフェレットではないのではないか?」という声もネットで上がっています。

 

蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは?死ぬ病気?

蜂窩織炎とは、毛穴や傷口から細菌が侵入して、皮膚の深い組織が炎症する感染症です。

38度以上の熱が出ることもあり、重篤化すると命も脅かされてしまう病気なのです。

蜂窩織炎は、脚の皮膚に最もよく生じますが、体のどの部分にも発生します。通常は、片手や片脚など、体の片側だけに生じます。最初に現れる症状は、感染部の皮膚の発赤、痛み、圧痛です。

感染部の皮膚は熱をもって腫れ、オレンジの皮のように、細かいあばたができたように見えます。感染部の皮膚に液体で満たされた大小の水疱ができることもあります。
引用:MSDマニュアル

 

蜂巣炎を治療せずに放置すると、感染した皮膚の血管が詰まり、組織に栄養が行き渡らず、皮膚細胞は死滅します。

細胞が死滅することをネクローシス)といいます。壊死すると神経が働かなくなるため、痛みは消えて何も感じません。

やがて壊死は筋肉に沿って感染を拡げ、「死性筋膜炎」という病気を引き起こします。そうなると、外科手術で壊死した組織を切除する治療が施されますが、それでも死亡率は約30と高い危険がともないます(メルクマニュアル医学百科より)。

 

フェレットがかんだことが蜂窩織炎を引き起こす原因になったことに間違いありませんが、もちろんすべての動物で考えられることです。

とくに野生の動物に引っかかれて血が出たり、深く噛まれたら、すぐに病院へ行くことをおすすめします。