こんにちは!
理学療法士のたけしー(@miyatake_PT)です。
今回は狭心症(きょうしんしょう)のあれこれについて触れていきます!
この記事を見て頂けたら、狭心症について簡単な知識や予防・治療、関連する生活習慣病が分かります。
「狭心症」とはどんな病気?

「狭心症」とは簡単に言うと、心臓(心筋)におくられる酸素が足りなくなり、胸に一時的な痛みや圧迫感がおきる病気です。
もうちょっと詳しく言うと・・・
心臓の栄養血管である冠動脈(かんどうみゃく)が何かしらの原因で狭くなると、心筋に送られる血液が不足して、心筋が酸素不足になります。それにより、胸に痛みや圧迫感がおこる。
ということになります。
心臓の栄養血管である冠動脈が、何らかの原因で狭くなると、心筋に送り込まれる血液が不足し、心筋が酸素不足に陥ります。
心臓は筋肉の固まりのような内臓で、常に収縮(ギュっとなる)と拡張(広がる)を繰り返し、血液を送り出しています。
心臓から送られる血液のおかげでからだ全体に酸素と栄養素を得ることができて、生きて活動を続けられるんですね。
これは、心臓の筋肉である心筋にも当てはまります。心筋も血液が必要だよ!ということです。
発作が起きるのは、冠動脈から送られる血液の量が、その時点で心筋が必要としている血液量を下回ったとき
狭心症の種類
狭心症にはいくつかタイプがあるのをご存知でしたか?
労作性狭心症
- 階段をあがると胸が締め付けられるように痛くなる
- 重いものを持上げたり、坂道をあるくと胸が苦しく痛む、静かにしていると楽になる
痛みは圧迫感、絞扼感(こうやくかん)、灼熱感などと表現されることがあります。
痛む場所は前胸部、みぞおち、肩、頸、歯や喉が痛むことも。痛みの続く時間は、短い場合だいたい数分くらいと言われています。
胸痛を治めるには、まずは安静。座って、衣服をゆるめて、呼吸を楽にしましょう。
病院等でニトロ製剤(舌下錠)を処方されている場合、ニトロを口に含みます。
ニトロには冠動脈を広げて心臓の負荷を減らし、心筋虚血を改善する作用があります。ただし、ニトロは血圧も下げるので、主治医の先生に必ず確認してくださいね!
安静時狭心症、冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症
- 夜、就寝中、明け方、胸が苦しく押さえつけられたようになる発作
安静でおこるためにこういうのですが、痛みの性質や場所などは労作性狭心症の場合と同じようなものです。
多くの場合、冠動脈が瞬間的にけいれんし、血流を一時的に途絶えさせるために起こる狭心症。
この場合も、ニトロ製剤がよく効くとのことですね。なぜならニトロは冠動脈の攣縮をほどいて広げるからです。
不安定狭心症
- 狭心症発作がだんだんと頻回におこり、労作時だけでなく、安静にしていてもおこる場合にこれを疑ってみる
心筋梗塞の前触れとされています。
発作が繰り返し起こっている間に、大きな発作にいたらない前に心筋梗塞ができ上がってしまう(心筋が壊死してしまう)こともあります。
救急車が必要です。ニトロで収まるならば、ニトロを使用してみてください。
※主治医の先生に必ず確認が必要です
微小(びしょう)血管狭心症
- 狭心症発作がおきているけど、冠動脈狭窄はなく、誘発試験をしても冠動脈攣縮はおこらない場合に微小血管狭心症を疑ってみる
冠動脈に異常がないのに、心筋の小さな細い血管がせまくなって血流配分に支障をきたしているのではないかと考えられるために微小血管狭心症といわれています。
数字で見る狭心症

- 心疾患の患者数は、172万9,000人
- 虚血性心疾患の年間医療費は、7,503億円
- 心疾患の年間死亡数は、19万6,926人
狭心症の予防と治療

ここでは、労作性狭心症と安静時狭心症の予防・治療法について紹介します。
労作性狭心症は冠動脈の動脈硬化が原因の大半を占めているとされています。なので、その予防と治療は、動脈硬化の進行を抑えることが基本です。
具体的には、禁煙、脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病の治療、肥満の場合の減量などなど、動脈硬化のリスクとなるものを取り除くことです。
動脈硬化抑制をベースにしながら、狭心症を治療することが基本的ですよね。
- 血管を広げる薬(ニトログリセリンなど)の徐放薬(ゆっくり長時間効く、飲み薬以外にテープ剤なども)
- 心臓の働き過ぎを抑える薬
- 細くなっている血管の内部にステントという金具を入れて血管を広げる血管内手術
- バイパス手術で血液の迂回路を作ることもあります
安静時狭心症の場合は、血管を広げる作用をもつ薬で発作を予防することになります。
安静時狭心症でも動脈硬化がある程度関係していることもあるので、先程の治療も大切になるのでは、と思います。
もし、体を動かしているときに発作がおきたら静にし、すぐにニトログリセリンの舌下錠かスプレーを用います。
ニトログリセリンは冠動脈を広げる強い作用があり、大体これで発作は治まるとされています。
舌下錠は、舌の下で溶かすことが大切で、飲み込んでしまうと体内への吸収に時間がかかり過ぎ、効果がありません。
狭心症に関連する生活習慣病

★の数が多いほど関連が強いことを意味します。
心筋梗塞【★★★】
心筋梗塞の一部は狭心症が進行して発症します
動脈硬化【★★★】
狭心症の大半は、動脈硬化が関係して起こります
脳梗塞【★★☆】
脳梗塞もその多くが、狭心症と同様、動脈硬化が関係して起こります
高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドローム【★☆☆】
これらの病気は狭心症を引き起こす動脈硬化の危険因子です
まとめ
一言でいいますと
動脈硬化を予防しよう!!!
最後までみて頂きありがとうございました!