こんにちは、理学療法士の宮城です。
お盆休みは終わったけど、この季節は飲むよ〜って方もいると思います。お酒の席が続きますよね。
ということで今回は、急性アルコール中毒についてお伝えしていきます。
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急性アルコール中毒とは?分かりやすく解説

脳の神経細胞がマヒした状態です。
短時間でたくさんのアルコールを摂取したとき、分解できなかったアルコールが血液の流れで脳に達して、脳内の神経をマヒさせる中毒症状ということです。
皆さんは急性アルコール中毒と聞いたらどういう状態をイメージしますか?
と思う方が多いと思います。
実際に急性アルコール中毒で救急搬送される人は若者が多いですよね。
ですが、女性や高齢者でも少しのお酒を飲んだだけで顔が赤くなる人とかアルコールの分解に時間がかかる人も急性アルコール中毒のリスクがあるので、
一気飲みしてないから大丈夫だよ!は危険だと思ってください。
急性アルコール中毒の症状とは?

■軽度〜中等度
・吐き気、嘔吐(おうと:吐く)
・顔面紅潮(こうちょう)
・腹痛
・異常に汗が出る
・感情の抑えがきかない
・酩酊(めいてい)
・判断力低下
etc…
■重度
・昏睡(こんすい)
・呼吸抑制、呼吸停止
・低体温
最悪の場合死に至ることも!
もう一つのリスクはアルコール依存です。
「嫌なことを忘れるためにお酒をのみたい!」という経験はありませんか?
仕事のストレスや周囲との人間関係などでストレスが溜まりリラックスしたいという時、深酒になる傾向が…。
お酒のリラックス効果の危険性について
お酒のリラックス効果は、理性を調整する部分がマヒして本能や感情を調整する部分が、より活発になるというカラクリです。
これだけなら良いかもしれませんが、アルコールは皆さんも一度は聞いたことあるドーパミン(快楽物質)を増やして神経を刺激します。
いわゆる酩酊状態で快感というのまさにそれです。
日常的になると脳が刺激に慣れて、快感を得るためにより多くのアルコールの量を求め、お酒の量が増えるという流れ。
数字で見る!酔いの段階と体の状態

- ほろ酔い(リラックス)血中アルコール濃度が0.02%〜0.1%程度
⇒泥酔以上の状態では意識レベルが低下 - 泥酔期(でいすい)0.3%〜
⇒嘔吐・血圧低下・呼吸数の低下などが起こる
- 昏睡期(こんすい)0.4%以上 ←命の危険
⇒急性アルコール中毒で死亡する場合の事例2つ
血中アルコール濃度が高まることで、呼吸・循環中枢が抑制されて死に至るケース、
吐いた物によって窒息で死亡するケースなど、お酒は死亡事故に繋がります。
酔いが回ることで起こりうる危険は、他にもあります。
- 死亡には至らなくとも足下のふらつきなどによって転倒
- 意識低下や転倒で電車や車にひかれる
- 海や川でおぼれる
- もうろう状態での言動によってトラブルに巻き込まれる
このように、お酒の飲みすぎには色々な危険が潜んでいることを知っておくことが大切です。
急性アルコール中毒による搬送者数の推移
毎年一万人前後の人が急性アルコール中毒によって救急搬送されています。
年齢別で見ると、平成24年度(2012年度)では20歳代の搬送者数が5115人。
大学生や社会人になったばかりの若者が新人歓迎会などでその場の雰囲気にのまれる、新人歓迎会などの謎のイッキ飲み、先輩や同僚に飲酒させられていると考えられます。
イッキ飲みによる死亡者は毎年一定数発生し続けています。
もし周囲に急性アルコール中毒が疑われる人がいる場合、まず次の救護方法を対応法として心がけましょう。
急性アルコール中毒の救護方法
- 絶対に一人にしない
- 衣服をゆるめて楽にする
- 体温低下を防ぐため、毛布などをかけて暖かくする
- 吐物による窒息を防ぐため、横向きに寝かせる
- 吐きそうになったら、抱き起こさずに横向きの状態で吐かせる
酔いつぶれた人を無理に吐かせようとすると吐物が逆流してのどに詰まり、窒息する可能性があります。
意識が低下している場合は無理に吐かせようとせずに上記の5点を守りましょう。
回復体位をとると良いとされています。

救急車を呼ぶタイミングとして、以下に挙げる5点のうちひとつでも当てはまれば救急車を呼びましょう!
- 大きないびきをかいて痛覚刺激に反応しない
- 揺すって呼びかけても反応しない
- 体が冷たくなっている
- 倒れて口から泡を吐いている
- 呼吸状態が不安定
ちなみに、体調を崩すことが分かっていて飲酒を強要し、急性アルコール中毒で死亡させた場合は刑法第二百五条(傷害致死罪)が適用され、3年以上の懲役が科せられます。
空腹時はアルコールの吸収が早いので食事をとったり、食前に牛乳を飲むのも対策のひとつですね。
まとめ
一言で言うと、
飲み過ぎ注意!!
最後までみて頂きありがとうございました!