こんにちは。理学療法士のミヤギです。
みなさんは、『メタボリックシンドローム』という言葉を聞いたことがありますよね。では、『肥満症』はどうでしょうか?
似ているようで少し異なる『肥満症とメタボリックシンドローム』の違いや、それぞれの予防、治療法まで紹介します。
Contents
肥満症/メタボリックシンドロームの違い
肥満症とメタボリックシンドロームは、どちらも肥満のために起こる病気なので、重なる部分が多いですが、少し異なります。
まずは両者の共通点である肥満について解説していきます。
肥満とは? 分かりやすく解説

からだに余分な脂肪がついている状態を、肥満といいます。
医学的にはBMIという尺度をつかって、肥満かどうかを判定します。
肥満指数(BMI)は肥満の目安です。BMI値が22前後が最も病気になりにくい数値とされています。
あなたの肥満指数(BMI)を計算してみましょう!
肥満指数(BMI)= 体重 kg ÷ (身長 m ×身長 m )
例)体重70kg、身長160cmの人
70kg÷(1.6m×1.6m)≒ 27.34
BMI=27.34 『肥満度1』となります
日本肥満学会の肥満度判定基準
BMI | 肥満度判定 |
18.5未満 | 低体重(やせ) |
18.5~25未満 | 普通体重 |
25~30未満 | 肥満(1度) |
30~35未満 | 肥満(2度) |
35~40未満 | 肥満(3度) |
40以上 | 肥満(4度) |
それでは肥満症とはどういう病気かという話に進めます。
肥満症は、肥満に該当する状態(BMIが25以上)で、かつ、肥満による健康への悪影響が既に現れている場合、もしくは内臓脂肪型肥満の場合を指す病名です。
肥満による健康への悪影響
●糖尿病やその予備群
●脂質異常症(高脂血症)
●高尿酸血症(痛風)
●心臓や脳の血管の病気
●脂肪肝
●月経異常
●ひざの痛みや腰痛
●睡眠時無呼吸症候群
etc…
内臓脂肪型肥満とは?
おなかの出っ張りが特徴の肥満のことで、中年男性によくみられます。
医学的には内臓脂肪面積が100cm2以上のときに内臓脂肪型肥満と診断されますが、一般的にはウエスト周囲長で代用されていて、男性は85cm以上、女性は90cm以上の場合に該当します。
メタボリック・シンドロームとは? 分かりやすく解説

まず、ウエスト回りが男性85cm以上、女性90cm以上の方を指します。
そして高脂血症、高血圧、糖尿病のうち2つ以上あてはまるとメタボリック・シンドロームと診断されます。
ウエスト男性85㎝以上、女性90㎝以上 |
+
下の表で2つ以上該当するとメタボリック・シンドローム
中性脂肪が150以上、または善玉コレステロール40未満 |
血圧:上が130以上、下が85以上 |
空腹時の血糖値が110以上 |
肥満症もメタボリックシンドロームも医学的には疾患(病気)に該当するから単に太っているでは済まされずに、治療が必要な状態ですよ。
数字でみてみよう!肥満症/メタボリックシンドローム
- 肥満症では高血圧の頻度が9倍
- 肥満、高血圧、高血糖、高中性脂肪血症のうち3~4つが該当すると、どれも該当しない場合に比べて心筋梗塞・狭心症の発症率が36倍
- 1kgの減量でLDL-C(悪玉コレステロール)が1mg/dL低下する
肥満症/メタボリックシンドロームの予防と治療法

肥満症やメタボリックシンドロームの予防や治療は、肥満を解消することなので減量が基本です。
普段の生活の行動から注意することとしては、当たり前のように思えることを実践することがカギになります。例えば・・・
- 寝る前に食べない
- 食事はよく噛んでゆっくり食べる
- 菓子の間食やアルコール飲料を控える
- よくからだを動かす
また、肥満の解消と並行して、肥満による健康への悪影響をなくすための治療も必要です。
肥満、かつ血糖値が高いという状態は減量が成功すると血糖値も下がることが多いのですが、血糖値が十分に下がらない場合にはそれを下げる治療を行うことになりますよね。
肥満症/メタボリックシンドロームと関連する生活習慣病
★の数が多いほど関連が強いことを意味します。

★★☆
高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高尿酸血症、痛風、動脈硬化、脂肪肝、睡眠障害
⇒これらの病気の主要な危険因子が肥満症やメタボリックシンドロームです
★☆☆
心筋梗塞、狭心症、脳梗塞
⇒肥満症やメタボリックシンドロームに対処せずにいると、これらの病気になる危険性が高まります
まとめ
ひとことでいいますと、
生活習慣を見直そう!
ですね。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。