●対人関係で問題ばかり起こすモンスター社員
●いじめや嫌がらせで他の社員を鬱に追い込むモンスター社員
●遅刻や欠勤、早退が多すぎるモンスター社員
などなど…。
非常識な行動で周囲や会社に迷惑をかける「モンスター社員」ですが、扱いに悩む企業も年々増えているんだとか。
今回は、「モンスター社員」とは何なのか?どういうタイプのモンスター社員がいるのか?モンスター社員の扱い方や対処法、などについてご紹介します。
モンスター社員とは?
モンスター社員とは、仕事に対する姿勢や行動、職場や職場で関わる人への言動や態度が極端に常識外れな社員のことです。 あり得ない主張や批判を繰り返し、周りの人に迷惑をかけ、業務のスムーズな進行を妨げます。
モンスター社員もさまざまで、
●言葉や態度で人を追い詰めるパワハラタイプ
●すべて人任せで自分は働かない給料泥棒タイプ
●とにかく新人に厳しい新人キラータイプ
●遅刻や欠勤の回数が多すぎる不安定タイプ
など、いろんなタイプがあります。
扱いにくいだけでなく、周囲や仕事にも悪影響を及ぼすモンスター社員に悩む企業も増えており、
中長期的に見ると会社の業績はもちろん、外部からの評判・信頼にまで悪影響が及ぶ可能性があるのです。
会社の未来を脅かしかねないモンスター社員には適切な対応が必要であり、「モンスター社員解雇指南セミナー」が存在するほどの社会問題となってきています。
モンスター社員の種類・特長

具体的に、どんな人が「モンスター社員」に当てはまるのでしょうか?
モンスター社員のタイプごとに、解決策も紹介いたします。
1.パワハラタイプ
\ 特長 /
- 自分の立場や地位を利用し、部下を攻撃する
- キャパを超える量の仕事を振ってくる
- 反対に、部下に仕事をまったく与えない
- 細かいところまで管理しようとする
- 人格を否定するような発言を平気でする
パワーハラスメントは社会問題にもなっていますが、なかなか減らないのが『パワハラタイプ』のモンスター社員です。
上記を例に挙げましたが、いじめ、無視、セクハラ、脅し文句、暴力など、挙げだしたらキリがないくらい幅が広いのも、パワハラタイプのモンスター社員の特長です。
パワハラタイプのモンスター社員は会社にとって、職場の雰囲気を悪くし、部下や新人社員の退職などを招くため、もっとも対策が必要とされています。
しかし、勤続年数の長いモンスター社員の場合、上司も強く指導しづらいところがあり、お局を誕生させてしまうケースが多いようです。
〇解決策
パワハラの原因や状況を、会社側がしっかりと把握する必要があります。
パワハラ被害にあっている当事者との面談の時間を設けたり、第三者に状況を確認するなど、本人ではない他の社員が積極的に動いてあげることも大切です。
また、パワハラが判明した場合は、注意、もしくは指導を受けさせる必要があります。
改善が見られない場合は、「戒告」「減給」「出勤停止」「降格」といった就業規則で定めた懲戒を検討する必要があります。
2.反抗タイプ

\ 特長 /
- なかなか上司の指示を聞かない・聞こうとしない
- 「それは意味があるのですか?」「なぜ私がやらないといけないんですか?」が口癖
上司からの指導や指示に対して、なかなか素直に受け入れて行動してくれない『反抗タイプ』のモンスター社員を指します。
部下が言うことを聞かない1番の原因としては、『上司と部下の間に信頼関係がないから』だと考えられます。
この場合は部下だけでなく、上司が高圧的な態度をとったり、部下の話を聞かないなど、上司側にも問題がある場合もあります。
また、個人差はありますが、男性よりも女性の方が上司に反抗しやすい傾向があります。
これは女性が上司の権威ではなく、信頼感や納得感で指示を聞くかどうかを判断する傾向にあるためです。
〇解決策
部下が言うことを聞かないからといって、頭ごなしに怒鳴りつけるのは逆効果です。
部下が言うことを聞かない1番の原因で、『上司と部下の間に信頼関係がないから』と説明しましたが、人は「言われている内容」よりも「言われている相手」によってそれを聞くかどうかを判断する傾向があります。
態度の悪い上司や、部下の話に聞く耳も持たないような信頼できない上司の言うことは、あまり聞きたくないというのも、分かりますよね。
良い信頼関係を築くためにも、まずは冷静に、部下の話を聞いてみることが大切です。
その上で、部下の言い分も聞きつつ、会社の指示も伝えるようにしてみて下さい。
3.自己中心的タイプ

\ 特長 /
- 自分のミスには甘く、他人には厳しい
- 意見が通らないと感情的になる
- 自分の能力に過剰な自信を持っている
- 自分の好きな仕事しかせず他人任せなことが多い
「自分には甘く他人に厳しく」という、自分だけが働きやすい環境でいることを望んでいる『自己中心タイプ』のモンスター社員を指します。
このタイプは、自分の嫌な仕事はひとに押し付ける、ミスが出たら他人のせい、自分の考えと違うことを言われると怒り出し、自分の考えが正しいことを主張してきます。
協調性なんかは無く、「自分さえ良ければいい!」と考えている人がほとんどです。
〇解決策
パワハラタイプと同じく、会社側が原因や状況を把握する必要があります。
モンスター社員の勤務態度が著しく悪いと分かれば、注意をし、もしくは指導を受けさせる必要があります。
改善が見られない場合は、「戒告」「減給」「出勤停止」「降格」といった就業規則で定めた懲戒を検討する必要があります。
4.給料泥棒タイプ

\ 特長 /
- 明らかに仕事をサボっている
- ボーっとしているか寝てばかりいる
- タイムカードを押してから行方不明になる
- 気付いたら動画をみたりネットサーフィンをしている
明らかに他の社員より業務内容が少ない・サボっているのにも関わらず、同じ額の給与を受けている人は『給料泥棒タイプ』のモンスター社員です。
給与が本人の業績や成果に応じて給料が支払われる完全歩合制ではない会社の場合、固定給があることをいいことに、
自分だけ仕事をサボり優秀な人材に仕事を任せ、同額の給料をもらうようにわざとしているモンスターもいます。
〇解決策
客観的なデータを集めて、本人に確認しましょう。
会社側は気づけず、近くで働いている社員にしか気づけないことは多くあります。
会社が気づけず動けないことで、周りの良い社員に不満が溜まっていき辞めてしまう場合がありますが、これは絶対にあってはならないことです。
普段から働く社員の言うことに耳を傾け、勤務態度が良くない社員はマークできるようにしておきましょう。
5. 不安定タイプ

\ 特長 /
- 感情の起伏がとにかく激しい
- 遅刻や欠勤がつづいている
- 会社を休むことが多くなる
- ミスが目立って増えている
もともと勤務態度が悪く、会社を休みがちであったり、無断欠勤を続けるモンスター社員がいます。
ですが、いままで真面目に仕事をしていた社員が連続でミスを出すようになったり、遅刻や欠勤が続くようになった場合、社員の体調不良を疑ったほうがいいかもしれません。
〇解決策
身体的な体調不良は本人も周りの社員も気づきやすいのですが、メンタル面での症状は本人でも気づきにくい可能性の方が高いと言えます。
感情の起伏が激しく、やけに落ち込んでいたり、イライラすることが多くなった社員がいる場合は、周りから声をかけて気に掛けるようにしましょう。
心身の不調が原因で治療・休養が必要であるという診断を受けた場合は、最初は欠勤扱いとし、欠勤が一定期間続いたら、就業規則に基づき休職命令を出しましょう。
まとめ
いろんなモンスター社員がいることを分かっていただけましたか?
モンスター社員はそのまま放置しておくと、他の社員や企業全体、外部にまでも影響が出る可能性のある危険な存在です。
対応を誤ると訴訟に発展する恐れもあるため、現状把握や対処方法の検討、注意や懲戒といった段階を踏んだ上で、パワハラや違法と認定されない慎重な対応が必要です。
また、問題社員・モンスター社員になる恐れがある応募者を採用しないためにも、入社前の段階でしっかりとした対策を練りましょう。