昨年2018年7月、モルタルで固められた男性の遺体が見つかった事件で、男性の妻である氏家美穂被告が『極めて悪質』として、懲役25年の刑を受けました。
この記事では、
- 事件の詳細
- 妻が夫を殺害した動機
- 検察側の「散々被害者を裏切った」発言の意味
- モルタル詰めとは何か?
という4点を順に紹介していきます。
Contents
『極めて悪質』モルタル詰め事件の詳細

昨年2月17日ごろ、茨城県かすみがうら市のアパートで、
男性の妻である氏家美穂被告(45)が、自宅で寝ていた夫の氏家昇さん(33)の首をスマートフォンの充電ケーブルで絞めて殺害。
さらに、当時11歳の長女には「ママと離れるのが嫌ならパパを殺すしかない」と迫り加担させ、遺体をモルタル(下記に詳細)で固めてクローゼット内に遺棄しました。
この事件に対し、検察側は『計画的で極めて悪質な犯行』として、妻の氏家美穂被告に懲役25年を求刑しました。判決は5日に言い渡されます。
犯行の動機は“借金の請求”?“暴力”?
検察側の主張
検察側は殺害に至った動機について、『美穂被告の借金が問題』と主張。
美穂被告は、昇さん名義の借金をしていたほか、昇さんが管理する勤務先の労働組合費を使いこむなどし、
- 昇さんに返済を求められることに嫌気がさして犯行に至った
- 借金で昇さんを自己破産に追い込んだ
- 年少の娘に犯行を手伝わせた
などと、悪質性を説明しています。
「散々、被害者を裏切った」発言の意味は?
検察側の意見の中で気になったのが、「被告は、散々、被害者を裏切った」という発言。
この意味としては、さかのぼって2人の出会い方にあったのです。
平成15年ごろ、美穂被告と昇さんは出会い系サイトで知り合い、当時30歳ぐらいだった美穂被告は、年齢を10歳ほど若く偽った上で「タナカマイコ」という偽名を使って昇さんと交際をしたという衝撃的な事実です。

さらに、結婚後は昇さんの名義を勝手に使用して借金や浪費を重ねたとして、
検察側は『被告は、散々、被害者を裏切った』、『極めて悪質な犯行』と主張しているわけです。
弁護側の意見
弁護側は反対に、昇さんの悪質性を述べ
- 育児や家事に非協力的であった
- 酒癖が悪かった
- 気性が荒く暴力をふるっていた
と述べ、「被告が極度のストレを抱えていた。」と主張しています。
また、長女を犯行に巻き込んだ理由としては、「過度のストレスにより精神的に追い込まれ、正常な判断ができなかった」と論じています。
「娘に一生の傷を負わせた」氏家美穂被告が涙ながらに・・・
美穂被告自身は今回の事件に対して、
と涙ながらに述べました。
美穂被告の不可解な反応・・・
美穂被告は、被告人質問で、
と、涙を流しながら昇さんの気性の荒さを語りました。
ところが、検察側の質問になると、
__検察側「昇さんの実家で暮らしていたとき、ヤクザを見たことはあるか」
__検察側「昇さんをこわいと言いながら借金と浪費を繰り返したのか」
と、一転してあいまいな受け答えをするようになったのです。
また、殺害を加担させられた長女(当時11歳)は、「ママの言うことは断れない」「ママが怒るから言えなかったけど、パパは好きだった」と語っており、
クローゼットへ押し込んだ昇さんの遺体管理を任されたことについても「死体の臭いを確認するのはいやだった」「いやだと言ってもやらされる」と述べました。
モルタル詰めとは何か?
モルタル詰めとは何なのでしょうか?
“固める”とあったので、コンクリートのようなものでしょうか?
そもそもモルタルとは・・・
モルタルは「セメント」+「砂」+「水」でソフトにしたものです。石灰石に水と細骨材(一般的にいう砂)を混ぜたものをモルタルといいます。
起訴状などによると、氏家美穂被告は殺害後に、遺体を毛布で包み、袋に入れてモルタルを流し込みクローゼット内に遺棄したとされています。

他にも、検察側の冒頭陳述では、美穂被告の携帯電話に「毒殺」「劇薬」「バレずに殺せる方法」「人を殺したらどうなる?」など、人の殺害やその方法についてネット検索した履歴があったことが指摘されています。