新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、マスクや消毒などの品薄状態が続く中、政府は全国すべての世帯を対象に、1住所当たり2枚のマスクを配布する方針を発表しました。
【布マスク配布 首相「合理的」】https://t.co/L0TeoVFPrZ
安倍首相は14日の衆院本会議で、新型コロナ感染拡大を受け、布製マスク2枚を全世帯配布する政府方針に関し「急激に拡大しているマスク需要に対応する上で非常に有効」。「理にかなった方策だ」と述べた。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) April 14, 2020
手作りの布マスクを着用する人や、同じ不織布マスクを何度も再利用する人など、マスク不足は深刻な社会問題にもなってきています。
同じマスクを使用する場合、適切な洗い方をしなければ効果が損なわれるケースもありえます。
そこで今回は、マスクの正しい洗い方について、厚生労働省や花王が紹介している『マスクの正しい洗い方』を、まとめてご紹介いたします。
Contents
布製マスクの洗い方

花王の衛生科学情報サイトでは、
外で使用していたマスクのケア方法を次の5つの手順で紹介しています。
5つの洗い方手順
- 標準濃度の衣料用洗剤(使用量の目安に従って洗剤を水に溶かしたもの)にマスクを10分ひたし、水道水でためすすぎをしたあと、マスクの水気をきる。
- 塩素系漂白剤15mlを水1Lに溶かして、マスクを10分ひたす。
- 水道水を用い充分にすすぐ。
- 清潔なタオルに挟んで水分を吸い取る。
- 形を整えて干す。
また、ただマスクを手順通りに洗うのではなく、
下記の7つのポイントも抑える必要があります。
1.炊事用手袋を使用する。
2.他の人のマスクと一緒には洗わない。
3.①の洗剤液とすすぎ水にはウイルスが含まれている可能性があるため、洗剤液が飛び跳ねないよう、流す時には十分注意する。
4.できるだけフタ付きの金属以外の容器(フタのできるプラスチック容器やフタ付きのバケツ)で処理する方が良い。
5.①の洗剤液とすすぎ水は、1Lあたり15mlの塩素系漂白剤を加えて10分放置してから捨てる。
6.マスクの繊維をいためる可能性があるため、もみ洗いはしない。
7.マスクを洗濯した後は、十分に手を洗う。
いかがでしたか?
マスクをもみ洗いしていたという方も、多いのではないでしょうか。
マスクを洗う際の注意点!
また、花王は注意点として、下記の2点を挙げています。
1.上記は綿素材のガーゼなどを想定した洗い方であり、銀イオンなどで抗菌を訴求しているマスクには、この洗い方は適さない
2.色物・柄物は変色する可能性がある
せっかく手作りしたマスクが変色してしまったり、洗ったのにまったく効果がないというのも悲しいですよね。
そうならないためにも、お手持ちのマスクの製品の表示を、しっかり確認してから洗うようにしましょう。
正しい布製マスクの洗い方動画
厚生労働省が動画をアップ
花王の『マスクの洗い方』に関する記事は、厚生労働省・経済産業省の『布製マスクの洗い方』の記事と動画が参考にされています。
経済産業省のページに、『布製マスクの洗い方』が分かりやすく動画としてアップされているため、参考にしたい方はこちらをご覧ください。
不織布マスクの洗い方
不織布マスクは10回使える?

製紙会社で不織布の研究を続け、技術士(繊維部門)の国家資格を持つ奥恭行氏(58)によると、
「使い捨てマスクなので洗えば当然、初期性能は落ちますが、不織布マスクは洗濯して使い回せる。」と話しています。
不織布マスクは素材が3層になっているものが多く、層の中央の繊維が帯電(電気を帯びること)されていて、そこでウィルスをキャッチする仕組みですが、この帯電効果は水や洗剤によって効果が減少。
90%以上のフィルタ捕集効果をうたうマスクを洗った場合、70%程度に効果は落ちるものの、奥氏の経験上、「それ以上は低下しなかった」そうです。
出典:暮らしニスタ『使い捨てマスクは洗える!不織布の専門家がオススメする洗い方とは?』
布マスクの捕集効率は、もともと20~40%とされており、「布マスクよりは洗った不織布マスクのほうがベターかもしれない」とも説明しています。
では、布マスクよりも耐久性の弱そうな不織布マスクは、どのように洗うのが正しいのでしょうか?
布マスクよりも不織布マスクをおすすめしている奥田氏の紹介する、『不織布マスクの洗い方』をご紹介していきます。
不織布マスクの洗い方
- 中性洗剤で1枚ずつ軽く押し洗いをする
- 洗剤が残らないように十分なすすぎをする
- 清潔なタオルに挟んで水分を吸い取る
- 形を整え、陰干しで十分に乾燥させる
先ほど紹介した、花王の「布マスクの洗い方」で仕様している漂白剤の使用は、使い捨てマスクでは推奨されていないので注意しましょう。
やってはいけないNGなマスクの洗い方

最後に、マスクの洗い方で「やってはいけない洗い方」についてご紹介します。
1.煮沸
熱湯で菌は死滅しても、素材が変質してしまうためNGです。
2.アルコール消毒
全国マスク工業会によると、アルコール消毒も素材が変質する恐れがあるため使わないよう注意喚起しています。
3.もみ洗い
こちらも、生地を傷めてしまうのでNGです。
4.乾燥機
こちらも、生地を傷めるのでNGです。
マスクの表面にアルコール消毒をしていたという方も多いのではないでしょうか?
ただしいマスクの洗い方・再利用方法を身につけて、コロナウイルスの感染を防ぎましょう!