妊娠や出産、夫の転勤などを理由に退職する場合などを除いて、「退職したい」と病院側や上司に伝えるのは、かなり勇気がいるものですよね。
中には、退職の意思を伝えただけで「どうせどこへ行っても通用しない」「育てたのに無駄だった」「裏切られた」など、辞める日まで酷い言葉をかけるブラックな病院もあるようです。
この記事では、辞めたい看護師が嫌な思いをしないように円満退職する方法を紹介します。
Contents
【看護師】絶対に円満退職できる4つの方法!

円満退職するための4つのポイントをご紹介します!
1.必ず直属の上司に報告する
退職を伝える時は、必ず直属の上司に伝えるようにしましょう!
職業上もっとも関係が近いところにいるにも関わらず、何も相談されずに退職を知ったとなれば不快に思うはずです。仲のいい同僚や先輩などに相談する方も多いようですが、直属の上司に報告する前に噂となって耳に入るのは良くありませんよね。
また、業務が忙しくなかなか伝えるタイミングを作るのは難しいかもしれませんが、院内メールやメモ書きなどで伝えるのはNGです。
業務時間内に話す時間が作れない場合は「お話があるので、空いている時間を教えてください」など伝え、できればカンファレンスルームや面談室などの個室で話を聞いてもらうようにして話しやすい環境を作りましょう。
Q.相談は誰にすればいいの?
選んで話すようにしましょう。
上にも書きましたが、最初に打ち明ける相手としてもっとも安心できるのは、信頼できる上司です。
もちろん引き止められる可能性は高くなりますが、「辞めます」と誠実に気持ちを伝えていけば、最終的には味方になってくれるでしょう。
「あまり上司と親しくない」「信頼できる上司がいない」という間柄であれば、できるだけ内密に話を進め、完全に決定してから報告すると良いでしょう。
2.退職の意思は最低でも2か月前に伝える
退職する意思が固まったら、早めに報告しましょう!
どのような職場であれ、ひとり分の戦力が抜けるのは痛手となります。迷惑がまったくかからないということは、考えられません。
病院勤務はつねに人手不足+多忙な環境なため、突然看護師が辞めてしまうと現場が混乱してしまいます。今まで一緒にはたらいていた同僚や、お世話になった先輩看護師に迷惑をかけるようでは、円満な退職はできません。
法的に定められているのは退職する14日前ですが、病院側の立場を考えれば、引継ぎや人員補充などで2か月は欲しいところでしょう。
病院の就業規則に退職の申し出についての記載があれば、なるべくそれに従うか、規定されている日数よりも余裕をもって伝えるのがベストです。
就業規則で、退職願の提出時期ではなく、退職の意向を伝える時期を定めている医療機関もあります。
勤務先の就業規則をしっかり確認しておきましょう。
退職の意思報告は早ければ早い方がGOOD。
限られた時間の中で、後任者への引継ぎ業務などを責任をもって終わらせるようにしましょう。
3.ポジティブな退職理由にする
\看護師に多い退職理由ランキング/
1位:他施設への興味(34.1%)
2位:給与に不満があるため(31.1%)
3位:休暇が取れない・取りづらいため(24.5%)
4位:超過勤務が多いため(22.3%)
5位:責任の重さ・医療事故への不安があるため(17.7%)
こちらは、平成22年~23年にかけて「他施設で働きたい理由」について調査が行われた結果です。
退職理由は大きくわけて3つあり、「ポジティブな退職理由」と「ネガティブな退職理由」、「やむを得ない退職理由」に分けることができます。
「ポジティブな退職理由」はスキルアップや資格の取得などで、「やむを得ない退職理由」には転居や介護、体調不良などを挙げることができます。問題は、調査結果にもあるように「ネガティブな退職理由」をそのまま伝えることです。
看護師の転職・退職理由の多くがネガティブな理由だと考えられますが、これらの理由をそのまま伝えると、スムーズに退職の手続きができない可能性が非常に高くなります。
無事に退職できればいいのですが、強い引き留めなどで退職できなかった場合、評価に影響する可能性があります。
ネガティブな退職理由で退職を検討している方は、できるだけポジティブな退職理由に言い換えて伝えるようにしましょう。
Q.おすすめの退職理由は?
誰もが使いやすいポジティブな退職理由に、「ほかの分野に興味が出た」という理由があります。
ほかに学びたい看護があるということは、学ぶ意欲があると考えらえ、ネガティブに受け取られることなく、引き留めにも合いにくいのです。
この退職理由を伝えるときは1つ注意点があり、
現在勤務している施設にはない分野を答える必要があります。
例えば、大学病院で勤務をしているのに「救急病棟で働きたいので退職したい」というと、「病棟異動すれば解決するので退職の必要はない」となりますよね。
大学病院や市民病院などの規模が大きな病院で勤務をしている方の場合、「ほかの分野」というのは診療科ではなく、「クリニックで働きたい」や「慢性期での看護を学びたい」などの回答をしたほうがいいでしょう。
4.バレる嘘は絶対に言わない
円満退職のしやすい退職理由として、次のようなものがあります。
- 結婚や妊娠
- 夫の転勤
- 家族の介護や手伝い
結婚や妊娠、出産は「ポジティブな退職理由」で、転勤や家族の介護などは「やむを得ない退職理由」に含まれますね。
退職理由はなかなか本当のことを言いづらいものですが、円満退職したいがためにまったくの嘘を話すのはおすすめしません。
例えば、嘘の結婚や妊娠、身内の不幸を理由にして退職できたとしても、実際に何もないことが分かれば、人間性を疑われることになるでしょう。
看護師の円満退職までの準備・手順
ここでは具体的に、円満退職までの準備や手順を紹介します。
①.退職の意思表示・相談
退職の2か月前を目安に早めの報告をしましょう。
その際に、就業規則をよく確認して、職場からの許可を得られる時期を計算しましょう。
②.退職までのスケジュールを決める
退職願の提出・引き継ぎ・有給休暇の消化など、
業務上のスケジュールと個人的な手続きリストアップしましょう。
③.引き継ぎの詳細を決める
「誰に」「何を」「いつまでに」引き継ぐか考えましょう。
完璧に終えられるよう逆算すると良いかもしれませんね・
④.退職願の提出
※就業規則の退職願提出期限を確認しましょう。
⑤.各種手続きと返却物の確認
必要な提出書類を用意し、私物と貸与物の仕分けをしましょう。
目安は、最終出勤日の2週間前まで。
⑥.荷物の整理
私物は退職の1週間ほど前から少しずつ持ち帰りましょう。
退職日は必要書類の受け取り、ユニフォームや社員証などの返却を行います。
⑦.退職の挨拶
退職当日または前日までに行いましょう。
業務中に訪問できる時間帯も事前チェックしておくのがおすすめです。
おわりに
看護師ならほとんどの人が転職・退職(潜在看護師)を経験します。去るときは円満退職したいのが本音ですよね。
しかし、気持ちよく送り出してくれる職場もあれば、そうでない職場ももちろんあります。退職する時ほど本当の姿が見えるものです。
酷いことを言われました…。
ネガティブな理由で退職を迷っている場合は、「その職場で定年まで働き続けたいと思うか?」を考え、もし「働けない」のであれば、いつかは辞める職場です。
そういった職場で長く勤めるのは、成長にも繋がりにくく、お互いにとってもあまりいいことではないので、早く決断することをおすすめします。
退職は一瞬の勇気です。
一言「辞めます」と伝えれば、あとは流れに身を任せるだけです。
「辞めようか考えてて…」「ちょっと他の分野に興味があって…」など曖昧な表現ではなく、退職希望を伝えるときは、「○月末で退職をしたいです」とはっきり言うようにすれば、あとあとあなたがラクになるはずですよ!


