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ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは? 分かりやすく解説

ロコモティブシンドローム(長いのでロコモとも呼ばれています)は、
骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で、「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態のことをいいます。
①運動器自体の疾患によるものと、②加齢に伴って起こる運動器の機能低下によるものとがあります。
今の時代、エレベーターや車を使う便利な環境があるので、足腰を使う機会が非常に少なくなってきていますよね。
ということは、高齢者の方に限らず全世代の方々に注意が必要です。
運動器とは、からだを動かすために関わる組織や器管のことです。骨・筋肉・関節・靭帯・腱・神経などから構成されています。
普段、ピイたろ含めて私たちは何気なくからだを動かしていますが、それは運動器の働きによるものです。
運動器の疾患・病気
変形性膝関節症、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性脊髄症、背柱管狭窄症、骨折、腰痛、肩こりなど
加齢に伴う運動器の機能低下

四肢・体幹の筋力低下、体力・全身耐久性の低下、筋短縮や筋萎縮による関節可動域制限、関節や筋の痛みなどなど…。
運動器の疾患や、加齢に伴う運動器の機能低下によって、立つ・歩く機能やバランス機能、巧緻性(こうちせい:手先の器用さ)、運動速度、反応時間などが衰えます。
そうなると、屋内・外の移動やトイレ・更衣・入浴・洗面などの日常生活動作(ADL)に介助が必要な状態となっていきます。
からだが思うように動かないことで外出するのがおっくうになり、家に閉じこもりがちとなると、運動する機会が減り、さらに運動器の機能低下が進んでしまいます。
ちょっとしたことでも転倒しやすくなり、怪我や骨折のリスクも高くなるので注意が必要です。
ロコモは運動習慣で防げる!

運動習慣をつけることが運動器の健康の維持につながります。運動器が健康だと、ロコモになる可能性も低下します。
また、運動をすることで健康寿命をのばすことにも期待できます。
運動器は、若い頃から適度に運動する習慣をつけて大事に使い続けることが必要です。
若い時から運動習慣をつけたほうがいい理由とは?
筋肉、骨、軟骨や椎間板は、運動や普段の生活でからだを動かして負荷をかけることで維持されるからです。
過度な運動や体重超過により負担をかけすぎるのも怪我や故障の原因になります。また、やせすぎると筋肉や骨は弱くなることが知られています。適度な運動と適切な食生活で肥満や痩せすぎにならないようにしましょう。
健康寿命とは?

健康寿命とは、健康で日常生活を送れる期間のことです。
平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性では約12年の差があります。
ロコモが進むと日常の生活が制限され、さらに悪化すると支援や介護が必要になる可能性が高くなりますよ。
要支援、要介護になる原因のトップは転倒や骨折、関節の病気など運動器の故障であることはあまり知られていません。
あなたがロコモであるか調べる方法、それがロコモ度テストです。
ロコモ度テスト1~3のうち、1つでも該当する場合、あなたはロコモです。
そのような場合は、移動機能が低下しているので、運動をしたり医療機関を受診するなどして改善に努めましょう。
また、定期的にロコモ度テストを行い、移動機能の状態をチェックするのもおすすめです。
立つ・歩く・走る・座るなど、日常生活に必要な身体の移動に関わる機能のこと
ロコモ度テスト
- ロコモ度テスト 1:立ち上がりテスト(下肢筋力をしらべる)
- ロコモ度テスト 2:2ステップテスト(歩幅をしらべる)
- ロコモ度テスト 3:ロコモ25(体の状態・生活状況をしらべる)
ロコモにはいろいろなレベルがあり、それはどれくらい歩けるかによってわかります。
十分に歩ける人と、よく歩けない人では、ロコトレのやり方も違います。
※評価方法は後日載せます。インターネットで「ロコモ度テスト」で検索すると日本整形外科学会が公式に発表しているロコモ度テストがご覧になれるので、参考にしてみてください。
要介護の原因となるロコモティブシンドロームとは?
高齢化社会を迎えている日本では、2018年時点で平均寿命は男性が81歳、女性が87歳となっています。
運動器の障害によって、日常生活に支援や介護が必要となる方が増加しています。
下のグラフは厚生労働省による調査で「2013年度 要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合」です。
介護が必要になった原因
2013年で介護が必要となった主な原因は、
- 高齢による衰弱
- 骨折・転倒
- 関節疾患
を運動器の障害としてまとめると全体の36.1%で、一番多い原因となります。
そして、上3つの原因は要支援1では52.1%、要支援2では49.6%と約半分を占めていて、運動器の障害をきっかけに日常生活の自立度が下がりやすいことが分かります。
脳血管障害で身体に麻痺などの運動器の障害が生じることも多く、介護の原因に運動器の障害が大きく関与していることが分かります。
平均寿命が延びている分だけ、運動器の健康を長く保ち続ける必要があり、一人一人が運動器の健康維持に対して関心を向け、ロコモティブシンドロームを予防するための運動習慣が大切になってきます。

簡単なロコモチェック
ロコモティブシンドロームは、自らの運動器の機能低下に気づき、進行を予防するための運動習慣をできるだけ早い時期からスタートさせることが大切です。
ロコモ チャレンジ!推進協議会のホームページでは、運動器の衰えを7つの項目でチェックできるロコチェックが紹介されています。

ロコモティブシンドロームを予防するには?!
ロコモティブシンドロームの予防には、日々の運動習慣とバランスの良い食生活が大事です。
「片脚立ち」と「スクワット」が自宅で簡単・安全に行うことができるのでおススメです。
毎日の生活の中で、階段を使う、一駅分歩いて通勤・買い物に行くなど、運動の要素を積極的にプラスすることもロコモ予防となりますよ。


まとめ
一言でいうと
簡単な運動から始めよう(^.^)
ですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!