こんにちは!
理学療法士のたけしー(@miyatake_PT)です。
今回は、放っておくと恐ろしい脂質異常症(ししついじょうしょう)のあれこれについて触れていきまーす!
この記事をみて頂ければ、脂質異常症の簡単な概要や、予防・治療、関連する生活習慣病について分かりやすく解説します。
Contents
脂質異常症とは?どんな病気?

脂質異常症とは、血液中にふくまれるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)などの、脂質が基準よりも多い状態のことをいいます。
以前は高脂血症ともいわれていましたね。
この脂質の値は(清脂質値)血液の中の脂肪分の濃さのことで、血液の中の脂肪分はいくつかのタイプに分けられます。
あなたはどのタイプに入る? 数字のみ表記します
・悪玉コレステロールが140未満
・善玉コレステロールが40以上
・トリグリセライド(中性脂肪)が150未満
この3つの値のどれかがその範囲を超えた状態が、脂質異常症です。
用語の説明
悪玉⇒LDL、善玉⇒HDL
・LDL:「Low Density Lipoprotein」の頭文字で低比重リポタンパクの意味。
・HDL:「High Density Lipoprotein」の頭文字で高比重リポタンパクの意味。
HDLに運ばれているコレステロールをHDLコレステロール、LDLに運ばれているコレステロールをLDLコレステロールと呼びます。
悪玉コレステロールが140未満だとしても、120~139の間は境界域となるので、動脈硬化を引き起こす脂質異常症以外の病気(糖尿病や高血圧など)がある場合は治療の必要性が高くなります。
脂質異常症と高脂血症の関係は?
脂質異常症は以前、高脂血症と呼ばれていた状態とほぼ同じです。
高脂血症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪が異常に多く、動脈硬化などを促す症状。
ですが、善玉コレステロールは高いほうが良いので(ケースにもよる)、以前の「高脂血症」という病名ではそぐわない点があるとのことで、最近は脂質異常症と呼ばれています。
ここで気をつけておくことが!
血清脂質値が異常でも、通常は症状は現れません。
症状が出ないにもかかわらず、知らず知らずのうちに、全身の血管がダメージを受けます。主にその影響は動脈硬化となって現れます。
動脈硬化が進行するとどうなるの?
動脈硬化が進行すると、
- 心臓や脳などの血液の流れが悪くなる
- 突然、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発作が起きる
- QOL(生活の質)が低下、ときには命も左右されることがあります。
もし、脂質異常症と指摘されたら心臓や脳の発作を起こさないため、血清脂質値(とくに悪玉コレステロール)に気をつけておく必要があります。
補足
善玉(HDL)コレステロールは、余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑えます。
増えすぎた悪玉(LDL)コレステロールが動脈硬化を促進するのとは反対に、善玉はおさえる働きがあるのです。
増えすぎたコレステロールを回収し、血管壁(けっかんへき)にたまったコレステロールを取り除いて、肝臓へもどす働きをします。
しかし、先ほど‘‘善玉コレステロールは高い方が良い‘‘と言いましたが、気をつけた方がよいケースもあるので注意が必要です。
動脈硬化という問題とは別に、からだに何かしらの故障があるとします。
たとえば、肝臓が故障しているとします。肝臓はからだに必要なタンパクの合成・栄養をためる、有害物質の解毒・分解、etc…があるので、善玉(HDL)を代謝する酵素活性(こうそかっせい)が低値のときはHDLの値は高くなります。
このことも含めて、他に病気はないか、調べておくと安心ですね。
数字で見る脂質異常症

- 患者数は、206万2,000人
- このうち、男性は59万6,000人
女性は146万5,000人
脂質異常症の予防法と治療法

脂肪分の多い食事をとると、コレステロール値が高くなり、動脈硬化の進行を早めます。特に、動物性脂肪である肉や卵などのとり過ぎに注意が必要です。
- 食事の量が多すぎる
- 清涼飲料水またはアルコールを飲み過ぎる
- 甘いお菓子を食べ過ぎる
じゃあそれを抑えるにはどうすればいいの?
洋食より‘‘和食‘‘を食べましょう!
野菜に豊富に含まれている食物繊維や魚油(イワシなどの青魚)、豆腐などの大豆製品は、血清脂質値を下げたり、動脈硬化を抑制するように働きます。
ですので、脂質異常症の予防や治療には洋食よりも和食のほうが適しているということになりますね。
食生活改善だけではありません!
食習慣を改善することは確かに重要ですが、運動を行うことも大事ですよ。
からだを動かすことは体重管理のにおいても必要ですが、それとともにHDL-コレステロールを増やす効果もあります。
HDL-コレステロールは、血管の内壁に沈着したコレステロールを抜き取り、動脈硬化の進行を抑えるように働いてくれます。これはさっきお伝えしましたね。
・LDL-コレステロールは160~100(動脈硬化の危険性が高いほど、より低く抑える)
・HDL-コレステロールは40以上、中性脂肪は150未満です。
脂質異常症に関連する生活習慣病
★の数が多いほど関連が強いことを意味します。

★★★…動脈硬化、心筋梗塞、狭心症
⇒これらの病気の最大の危険因子が脂質異常症です
★★☆…脳梗塞
⇒脳梗塞の重要な危険因子の一つとして脂質異常症が該当します
★☆☆…糖尿病、肥満症、メタボリックシンドローム
⇒これらの病気は脂質異常症の患者さんが併発しやすく、また併発した場合は合併症が起こりやすくなります
まとめ
一言で言いますと
食事の偏りすぎに注意しましょう!
最後までみて頂きありがとうございました。