こんにちは!理学療法士のみやぎです。
今回の記事では、医師から「あなた、痛風ですね」と言われたら「え?!」となりそうなことについてお伝えしていきます。
ちなみに僕は痛風ではないですよ!笑
それでは、いきましょう!
1.高尿酸血症/痛風について
『痛風』はどんな病気?
痛風は「風が当っただけで痛い」と表現されるほどの激痛が発作的に起こる関節炎です。
痛風発作の激しい痛みは数日間続き、手当ての有無に関わらず、やがて治まってくるのが一般的な経過です。
なので、痛風発作の原因である『高尿酸血症』を治療せずにいる人は多いですよね。
ではなぜ痛風は痛みがでるのでしょうか?
それは…
針状の結晶が悪さをするから!

もう少し詳しく説明すると、
これは尿酸が血液中で増えている状態で、体重で負担がかかる足の親指の付け根や膝の関節などに尿酸が針状の結晶になって分離し、それが周りの組織を刺激します。
その影響で発作的といえるほど急激に炎症(痛風性関節炎)を起こすことがあるのです。
高尿酸血症により体内で結晶化した尿酸は、関節や腎臓などに溜まります。
痛風そのものは短期間で治まっても、高尿酸血症を治さないことには体内の尿酸結晶はそのまま存在し続けます。
その結果、痛風発作が再発したり、腎臓中の尿酸結晶が原因で腎臓病になったり、尿路結石ができたりといった、さまざまな合併症が起こります。
ここが必見!
高尿酸血症の方はたいていメタボリックトンドロームに該当し、動脈硬化が進行しやすい状態にあります。
尿酸は水に溶けにくいので、血液中の濃度が7mg/dLを超えると、結晶化しやすくなります。
痛風はどんな人に多いの?
痛風患者が多いのは、30~50歳代のばりばり働いて沢山飲み食いするといった精力的な男性に多いです。
ちなみに尿酸は主に尿に排泄されますが、女性ホルモンは尿酸の排泄を促すので、女性はあまり高尿酸血症や痛風になりません。
6-7-8ルール
尿酸コントロールには「6-7-8ルール」が適応されます。
8以上は多くの場合、薬物治療が必要で、6以下をめざします。
そして7以下は正常、7を超えると高尿酸血症です。
ちなみに僕も数年前尿酸値が7前後だった気がしますが今は大丈夫でしょう(おそらく)。
知人で痛風の人がいますが、聞くところによるとかなり痛いそうです。
2.数値で見る高尿酸血症と痛風
- 30~40歳代男性の3割が高尿酸血症
- 痛風患者さんの37%はメタボリックシンドローム
- 尿酸値9%台だと、6%未満に比べて、5年間の痛風発作発症率が40倍
- 尿酸値10%以上だと、6%未満に比べて、5年間の痛風発作発症率が60倍

みなさんはどうでしたか?
血液データを残している方はチェックしてみてくださいね。
3.痛風の予防と治療法
「痛風の予防」と「高尿酸血症の治療」は、イコールの関係にあります。
そして、高尿酸血症を治すことで痛風発作を予防できるだけでなく、痛風以外の合併症である腎臓病や尿路結石も予防できます。
同時にメタボリックシンドロームを治療し、動脈硬化の進行を抑えることにもなるのです。
尿酸値を下げる具体的な方法の第一は減量です。
高尿酸血症の患者さんの多くは太り気味で、その方(患者さん)が減量すると、尿酸値も下がります。

減量のためには、適切なカロリーで栄養バランスのよい食事をとること、そして適度な運動を続けることが欠かせません。
運動の強さが強過ぎると、逆に尿酸値が高くなるので注意してください。
また、減量に加えて、尿酸値を上げない工夫も必要です。
例えばアルコール(特にビール)を飲み過ぎない、体内で尿酸に変わる「プリン体」の多い食べ物(レバーなど)を食べ過ぎない、水分をよくとるといったことです。
高尿酸血症の治療を始めた後しばらくの間、尿酸値が変化(下降も含む)している期間は痛風発作が起きやすくなるので、
発作時には医師に処方された薬を飲み、対処してください。
4.関連する生活習慣病
★の数が多いほど関連が強いことを意味しますよ!

★★☆
高血圧、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化
→高尿酸血症/痛風の患者さんが併発しやすく、また併発した場合は、心臓や脳の血管の病気、腎臓の病気などの合併症が起こりやすくなります
★★☆
メタボリックシンドローム、肥満症
→肥満症やメタボリックシンドロームは、高尿酸血症/痛風の原因になりやすい病気です。
★★☆
CKD(慢性腎臓病)
→高尿酸血症/痛風はCKDの原因になりやすく、かつ、CKDのために高尿酸血症/痛風になりやすくなります
5.まとめ
尿酸値は身近な数値なのでみなさんもぜひチェックしてみてくださいね!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。