健康

梅雨の時期でも要注意!梅雨明け前の「熱中症・脱水症」予防

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6月と言えば「梅雨」の季節。暑い夏にかかりやすい熱中症は、梅雨の時期にはかからないと思っている方も多いのではないでしょうか?

実は、梅雨の時期でも気がつかないうちに熱中症を引き起こしてしまうことがあるのです。

熱中症にならないためにも気を付けたいのが、体内の水分が不足し、立ちくらみや熱中症を引き起こす可能性のある「脱水症」。

では、自分でも気づけない「かくれ脱水症」は、どのように予防すれば良いのでしょうか?

「かくれ脱水症」とは?

では、そもそも「かくれ脱水」とは何でしょうか?

かくれ脱水とは、『かくれ脱水委員会』が提唱した言葉で、軽度の脱水症よりもさらに前の段階のことを指します。

脱水症は進行するまで症状が出にくいことが特徴で、脱水症になりかけているのにそれを自覚していないまま、さらに有効な対策がとれていない状態を『かくれ脱水』と呼びます。(※1)

かくれ脱水になりやすい人の特徴

かくれ脱水委員会による、『かくれ脱水になりやすい』人の特徴が紹介されています。(※2)

  • 高齢者(年齢を重ねるにつれて体液が減少していくため)
  • 太った女性
  • ダイエット中の方
  • 不規則な生活の方
  • アルコール多飲の方
  • 朝ご飯を抜いている方

具体的な自覚症状はなくても、何となくだるい、食欲がない、疲れがとれないなどと感じたら、かくれ脱水の可能性があります。

もし、上記項目に該当するようであれば注意が必要です。

梅雨の時期の「熱中症・脱水症」の原因は?

梅雨の時期は湿度が高いため汗が蒸発しにくく、身体に熱がこもりやすくなっています。

また、身体が暑さに慣れていないため、体温調節をする準備が不十分となっているのも熱中症を引き起こす原因の一つです。梅雨の晴れ間や梅雨明けの時期は、特に注意が必要です。

脱水症は、気温の上昇や激しい運動で汗をかいたり、食欲低下や水分補給不足などによる水分摂取の不足、下痢や嘔吐、発熱、発汗などによる体液喪失の過多が原因で発症します。

脱水症は単なる水分不足ではなく、脳や消化器系、筋肉にまで異変が出てしまうので、適切な対応を取らなければとても危険な状態なのです。

脱水症の3段階の重症度

脱水症の重症度は、通常は体重の減少率を目安にします

体重減少が1~2%に留まっている場合は、脱水症がないか軽度の脱水症です。見た目にはわからない脱水症で、のどが渇いたり尿量が少なくなったりします。これがいわゆる『かくれ脱水』のことです。

体重減少が3~9%であれば、中等度の脱水症。中等度以上の脱水症になると、けんたい感、頭痛、嘔吐、めまいなどが起こり、血圧や臓器の血流低下といった症状が出てきたりします。

体重減少が10%以上になると高度の脱水症で、意識障害やけいれんといった重篤な症状が出ます。

他にも、「原因不明の発熱」や「急激な体重の減少」が脱水のサインだったりすることもあるので、夏に起こる突然の体の異変には注意しましょう。

脱水症対策で熱中症を予防しよう

脱水症対策をすることで、熱中症の予防をすることにも繋がります。逆を言えば、脱水症が進行すると熱中症になります

体は汗をかくことで高くなった体温を下げ熱の調節をしますが、発汗が続くと体から水分が失われ、体液不足(脱水症)になります。

そのままさらに発汗が続くと、今度は体液の減少を防ぐために体が発汗をストップさせます。すると体温の上昇を防ぐことができず、熱中症になってしまうのです。

そうなると体の臓器に悪影響が及び、めまいや立ちくらみ、頭痛や吐き気、重篤化すると意識障害やけいれんなどを引き起こしてしまうのです。

なので、かくれ脱水に気づいて熱中症を予防することが大切なのです。

かくれ脱水チェック

「かくれ脱水」の時点で対策が取れれば、脱水症も熱中症も予防ができます。

ここでは、「かくれ脱水」に気づく4つのポイントが紹介します。(※2)

  1. 握手をしてみる
  2. 舌を見せてもらう
  3. 皮膚をつまんでみる
  4. 親指の爪の先を押してみる

1.握手をしてみる

握手をして手が冷たい場合、かくれ脱水が疑われます。

「脱水状態になると、血液は生きていく上で重要な臓器に集まります。そのため、手足等には血液が行かず冷たくなります」(※2)

2.舌を見せてもらう

舌が乾いている場合は、かくれ脱水が疑われます。

「脱水状態になると口の中のつばが減少し、舌の表面も乾いてきます」(※2)

3.皮膚をつまんでみる

皮膚がつままれた形から、3秒以上戻らなかった場合は、かくれ脱水が疑われます。

「皮膚には、水分がたくさん含まれていて弾力性がありますが、脱水状態では水分が減り、 弾力性もなくなります」

4.親指の爪の先を押してみる

赤みが戻るまでに3秒以上かかると、かくれ脱水が疑われます。

「指先は血管が細いので変化が出やすい部分です」

脱水症の3つの対策

最後に、脱水症状を事前に予防するための予防策をご紹介いたします。

1.規則正しい食生活

熱中症や脱水症にならないためにもまず、規則正しい生活を送るよう生活習慣を見直しましょう。

一日に必要な水分の4割は食事から補給しているため、朝昼晩の食事をさまざまな色の食材が並ぶようバランス良く摂るようにしましょう。

夏場は、夏野菜のキュウリやトマトなど、水分が多く含まれる野菜や果物などが脱水対策に適しています。

2.暑い場所を避ける

直接日光に当たる暑い場所や、人口が密集しており空気環境が悪い場所は、なるべく避けるようにしましょう。

皮膚に日が当たると体温が上昇するため、外出時は肌の露出に注意が必要です。特に、太い血管がある首はその影響が大きくなるので気をつけましょう。

3.こまめな水分補給

この時期の熱中症対策で大切なのは、こまめな水分補給です。

人は身体の60%が水分でできていますが、身体の6%の水分を失うと頭痛や体温の上昇などの脱水症状が現れます

昼間は喉の渇きを感じなくても2時間おきを目安に水分を補給することを心がけるようにしましょう。また、人は寝ているときでもコップ1杯の汗をかいていますので、就寝前と起床時にそれぞれ1杯、お風呂に入る前にも1杯水を飲むようにしましょう。

 

今年の夏は、コロナウイルス感染拡大の影響でマスクを着用している方が多いですよね。

暑い夏でのマスク着用は、息苦しいだけでなく、余計に体に熱がこもりやすくなり、脱水症や熱中症を引きおこしやすいと言えます。

夏の体調の異変に耳を傾け、適切な対処を出来るようにしましょう。

(※1)教えて!「かくれ脱水委員会」について(URL
(※2)まいにちdoda(URL